元メーカーサービスマンが出題 · audioservice.jp

カセットデッキ修理 故障診断クイズ

テープが絡む・音がこもる・回転ムラなどの症状から出題

POWER

カセットデッキの症状と考えられる原因(全14問の解説)

解答と解説をすべて表示する(クイズの答えが含まれます)
  1. 再生すると高音が出ず、全体にこもった音になる。どのテープでも同じ。

    考えられる原因:再生ヘッドの汚れやアジマス(ヘッドの角度)のずれ
    テープの磁性粉がヘッドに付くと、高い音から聞こえなくなります。掃除しても直らない場合は、ヘッドの角度(アジマス)がずれていることが考えられます。

  2. 音程がゆらゆら揺れる。ピアノやロングトーンの曲で特に目立つ。

    考えられる原因:ピンチローラーの硬化やキャプスタンベルトの劣化
    ワウ・フラッター(回転ムラ)と呼ばれる症状です。テープを一定の速さで送るピンチローラーやベルトが劣化すると、送る速さが揺れて音程も揺れます。

  3. 再生中にテープがデッキの中に巻き込まれて絡んだ。取り出すとテープがくしゃくしゃになっている。

    考えられる原因:巻き取り側のリール台の力(トルク)不足
    キャプスタンから送り出されたテープは、巻き取り側のリールが巻き取ります。ここの力が弱いと、テープがたるんでキャプスタンやピンチローラーに巻き付きます。

  4. 再生はできるが、早送りと巻き戻しがとても遅い。途中で止まることもある。

    考えられる原因:リールに回転を伝えるゴムの車(アイドラー)の滑り
    多くのデッキでは、ゴムの車(アイドラー)やベルトでリールを回します。ゴムが硬くなったりすり減ったりすると滑って、力が伝わらなくなります。

  5. 早送りと巻き戻しはできる。再生ボタンを押すとカチャカチャ音がするだけで、再生の状態にならない。

    考えられる原因:ヘッドやピンチローラーを押し出す機構(カム用のベルトやギア)の不良
    再生のときは、ヘッドとピンチローラーをテープに押し当てます。多くのデッキはこれを小さなモーターとカム(ベルト・ギア)で動かしていて、ベルトが滑ったりギアが割れたりすると途中で止まります。

  6. 再生を押すとテープは動き始める。ところが数秒で勝手に止まり、停止状態に戻ってしまう。

    考えられる原因:巻き取りリールの回転が検出されず、自動停止(オートストップ)が働いている
    デッキはリールの回転をセンサーで見張っていて、回転が止まるとテープの終わりと判断して停止します。巻き取りが弱かったりセンサーが汚れていたりすると、回っていないと誤って判断して止まります。

  7. 市販のテープは良い音で再生できる。自分で録音すると、高音がこもったり歪んだりする。

    考えられる原因:テープの種類(ノーマル・ハイポジ・メタル)の設定やバイアスが合っていない
    録音するときは、テープの種類に合った「バイアス」を加える必要があります。設定とテープの種類が合っていなかったり、回路の調整がずれていたりすると、音質が大きく変わります。

  8. 上書き録音したのに、前に録音していた音がうっすら残って重なって聞こえる。

    考えられる原因:消去ヘッドの汚れや不良
    録音ヘッドの手前にある消去ヘッドが、前の音を消してから新しく録音します。消去ヘッドが汚れていたり働いていなかったりすると、前の音が残ります。

  9. ドルビーをONにして再生すると、高音がこもって聞こえる。OFFにすると、今度はシャリシャリしすぎる。

    考えられる原因:録音したときと再生するときで、ドルビーの設定(B・C・なし)が合っていない
    ドルビーは、録音のときに高音を持ち上げ、再生のときに下げてノイズを減らす仕組みです。録音と再生で同じ設定にしないと、音のバランスが崩れます。

  10. 片チャンネルだけ音が小さい、または出ない。ヘッドを掃除しても、ケーブルの左右を入れ替えても変わらない。どのテープでも同じ。

    考えられる原因:再生ヘッドの片チャンネル側の摩耗・断線、またはヘッドにつながる線の不良
    ケーブルの左右を入れ替えても症状が移らないので、デッキの中に原因があります。どのテープでも同じなら、テープではなくヘッドやヘッドまわりの配線を疑います。

  11. 掃除をしても、「サー」というノイズ(ヒスノイズ)が以前より増えた。大事なテープの高音が薄れてきた気がする。

    考えられる原因:ヘッドやテープが通る金属部品の磁気帯び(着磁)
    ヘッドや金属部品が磁気を帯びると、ノイズが増えるうえ、再生するたびにテープの高音を少しずつ消してしまいます。専用の消磁器(デマグネタイザー)で磁気を取り除きます。

  12. オートリバースのデッキ。A面は良い音なのに、B面(反対方向)で再生したときだけ高音がこもる。

    考えられる原因:ヘッドが回転して向きを変える機構で、片方向のアジマス(角度)がずれている
    オートリバース機の多くは、ヘッドを回転させて反対方向を読みます。回転する機構の摩耗やずれで、片方向だけヘッドの角度が合わなくなることがあります。

  13. ヘッドやピンチローラーを自分で掃除する。気をつけることとして正しいものは?

    考えられる原因:無水アルコールを含ませた綿棒で軽く拭き、金属の工具はヘッドに当てない
    ヘッドはとても繊細で、傷がつくと音が悪くなります。綿棒と無水アルコールで軽く拭き、しっかり乾かしてからテープを入れます。

  14. 何十年もしまっていたカセットテープを再生する。デッキにもテープにも優しい始め方は?

    考えられる原因:まず早送りと巻き戻しで端から端まで一度巻き直し、テープの張りを整えてから再生する
    長く置いたテープは巻きが固まったり緩んだりしていて、そのまま再生すると絡みやすくなります。一度巻き直すと走行が安定します。