音が出ない・ガリ・ハム・片チャンネル不良などの症状から出題
考えられる原因:保護回路が働いて、スピーカーリレーがONにならない
スピーカーリレーは保護回路が制御しています。出力段から直流が漏れていたり、電流が流れすぎていたりすると、スピーカーを守るためにリレーをつなぎません。出力トランジスタの故障などが典型的な原因です。
考えられる原因:スピーカーリレーの接点の劣化(接触不良)
スピーカーへの音はリレーの接点を通ります。接点が汚れたり荒れたりすると、電流の小さい小音量のときや鳴らし始めに接触が不安定になります。大きな電流が流れると一時的に良くなるのも特徴です。
考えられる原因:ボリューム(可変抵抗)の接点の汚れ・摩耗
いわゆる「ガリ」です。可変抵抗の抵抗体とその上をすべる接点の間に汚れや酸化膜ができて、接触が不安定になります。小音量での左右差も、同じ部品の摩耗が原因です。
考えられる原因:入力セレクター(切替スイッチ)の接点の汚れ
特定の入力だけで起きて、スイッチを動かすと変化するなら、入力を切り替えるスイッチの接点が汚れています。長い間使っていない入力ほど接点が酸化しやすくなります。
考えられる原因:電源の平滑用電解コンデンサの容量抜け
電解コンデンサは年月とともに容量が減り(容量抜け)、電源のわずかな波(リップル)をならしきれなくなります。ボリュームに関係なく出る唸りは、まず電源部を疑うのが定石です。
考えられる原因:電源を入れずに、ショートしている箇所(出力段など)を調べる
ヒューズが黒く焼けるのは、大きな電流が一気に流れた証拠で、中でショートが起きています。原因を取り除かずに交換すると再び切れます。容量の大きいヒューズを入れると、ほかの部品や基板まで焼けてしまいます。
考えられる原因:はんだ割れ(クラック)などの接触不良
振動で症状が変わるのは、どこかが物理的に接触不良になっているサインです。熱を持つ部品や重い部品の足元は、長年の温度変化ではんだにひびが入りやすくなります。
考えられる原因:スピーカーリレー・スピーカー端子・ケーブル・スピーカーのどこか
多くのアンプでは、ヘッドホン端子の音はスピーカーリレーより手前から取り出しています。ヘッドホンで両方聞こえるなら、アンプの中身の大部分は正常です。問題はリレーから先の、スピーカーへ向かう経路にあると絞り込めます。
考えられる原因:保護回路の遅延(ミュート)が働いていない、またはリレーの接点が溶けてくっついている
アンプは、電源を入れてから回路が落ち着くまでの数秒間、リレーを切ってスピーカーを守っています。この遅延が働かなかったり、接点が溶けてつながったままになったりすると、電源を入れたときの大きな音がそのままスピーカーに出ます。
考えられる原因:片方のスピーカーの+と−が逆につながっている(逆相)
左右のスピーカーの+−がそろっていないと、片方のコーンが前に出るとき、もう片方は後ろに下がります。低音が打ち消し合い、音像もぼやけます。端子の赤と黒、ケーブルの印を確認してつなぎ直します。
考えられる原因:2組を同時につないだことでインピーダンスが下がり、アンプの負担が重すぎる
多くのアンプはA+Bで2組を並列につなぐため、4Ωが2組なら合成は約2Ωになります。アンプが保証していない低いインピーダンスでは大きな電流が流れ、保護回路が働きます。
考えられる原因:設置場所の風通しが悪く放熱できていない(または出力段の電流の調整ずれ)
アンプは熱を逃がしながら動いています。上に物を置いたり狭い棚に入れたりすると放熱できず、温度を検知する保護回路が働きます。置き場所を改善しても熱すぎる場合は、出力段の電流(アイドリング電流)がずれていることがあります。
考えられる原因:ラウドネスがONになっている、またはトーンコントロールの位置がずれている
ラウドネスは、小さな音で聞くときに低音と高音を持ち上げる機能です。ONのまま音量を上げると低音が強すぎます。トーンコントロールも中央(またはトーンディフィート)に戻して確認します。
考えられる原因:入れ替えた真空管の劣化
部品を左右で入れ替えて症状が移るなら、原因はその部品についています。真空管は使った時間とともに劣化し、雑音が出たり特性がずれたりします。